今年の夏にスギ林を皆伐したこの現場。
来年の春までにシカの防護柵を張って、森の天然更新を図ります。
自然に生えてきた樹種を選んで、残す。といった方法ですが、この方法には幾つか問題があります。
その一つが「何がどのくらい生えてくるのか分からない」問題です。
幸い、現場周辺には種子の供給源となる広葉樹林があるので、シカ防護柵さえ張れば木が生えてくるとは思うのですが、何せこの地域はシカの食圧が強く、皆伐前の林床には殆ど幼木が見られません。
本当に生えてくるんですかね?
不安です。
不安なので、事前に種子を蒔くことにしました。
まずは蒔く樹種の選定ですが、渓流沿いの現場周囲にはシラカシ・アカガシ・ウラジロガシなどのカシが多く生えています。
どうもこの地域は潜在的にカシの適地のようです。
なので、カシの実を拾いたいところですが、今度は全く実が採取できません。
地面に落ちてもいないし、樹上にもありません。
本当に全くないんです。
何種類もカシがあるのに、ことごとく。
カシにも不作年があるんですか?
とりあえず現場周囲から15kmほど山を下ると「アラカシ」というカシの実は生っていました。
でも現場にアラカシはあまり生えていないし…、アラカシだけ蒔いても…。 という訳で、種子蒔き計画は頓挫しました。