間伐してると、ちょくちょく見かけるこんな切り株。
中心は腐っているようですが、周りはモコモコしています。
なんだと思います?
チェーンソーでスライスしてみると…

外側の白い部分、生きた木の組織です。
何でもこれは13年前のヒノキの切り株だそうで、普通ならとうの昔に朽ち果てているはず。
では何で生きてるか?
そりゃあ…ねえ?周りの木と根っこの組織が繋がっていて光合成の養分を供給されているからでしょう…きっと。
根っこの細胞同士が直接くっついていなくても、キノコなど何らかの菌類を介して繋がっているかもしれません。
事故なのか意図なのかは知らないけど。
まあ、競争しながらも共生してるってことですかね。

山には所有者がいます。
一人の所有者が一つの山をドーンと持っている場合もあるかもしれませんが、ここらでは大概が細分化されています。
「ここから先はうちの山だ。」ってな感じに境目の木にペンキなんかを塗ったりして。
それはそうですよね。
せっかく植えたスギやヒノキがヨソ様に採られたのではたまったもんではありませんから。
そんな境目が、このような形で現れることがあります。

左が植林されたヒノキの林で、右が自然林です。
自然林といっても樹齢と樹種からして数十年前に伐採された後に再生した「二次林」でしょう。

しかしながら美しい…いろんな木が生えていて、中には競争に負けて枯れる木もあって、カオスですが、生き生きとしています。
それに比べて、何ですか左の森は…つまらない。トキめかない。
こんな境目もあります。

左は例によってヒノキの林で、右はアセビの藪です。
背の高い木がないからどこかの高原みたい。
こちらは10年くらい前に皆伐した跡地らしいのですが、鹿の食害で有毒のアセビばかりが増えてしまっています。
まあ、別にアセビが生えることは悪い事ではない。
少なくともアセビが生えれば表土は流れずに済むし、アセビの間からヒメシャラやカナクギノキといった高木も生えてきていますし。

ここではちょっとした森の遷移が観察できます。
こんな感じで、森の境目からその森の現状を知ることができる、そう捉えると林業って面白いでしょ?
何だこれ?
樹皮がサクラっぽいけど、違う。
始めてのヤツ?
幼木の場合は葉っぱが目先にあるので分かりやすいけど、成木は葉っぱが遥か樹上にあるので、なかなか分からないんだよね。
お?先日の台風でちょうど葉っぱが落ちてたよ?

カバノキの仲間?
上を見上げると…、葉っぱが対に付いている…様に見える。

…「ミズメ」ちゃん?
家に帰って確認したらやっぱり「ミズメ」ちゃんでした。
若い木はちょいちょい見てたけど、こんな成木と出会ったのは初めて。
本来は普通にある木なんでしょうけど…。
まあ、ここらはスギとヒノキの植林地域ですので、今まで出会えなかったのも仕方がない。
ここらに限ったことでしょうが、森に入ると何かと白い花ばかりが咲いていて…
何だか、つまらない。

ガクウツギが代表例
植物的に見て、森の中では白色がやっぱり目立つのかな?
そんな中で、この「コアジサイ」の花は良い色をしている。

紫がかった青色。
面白いもので、日なたよりも日陰の方が青色が生えて見える。

あれかな?直射日光よりも散乱光の方が短波長の光が多いからかな?
まあ、人でも何でも陰でこそ綺麗なものってあるでしょ。
そんな感じで。
桜の季節も終わり、我が家の苗木もだいぶ芽吹いてきました。

これから水やりも大変になるし、早く山に植えてやりたいんですけど、如何せん暇が…
ポットの中も根っこでいっぱいで、これもまたよろしくない。
…
種類はたくさんありますよ。


知られた樹種では、トチとかブナとか。

これはカシ類で、シラカシとかアラカシとかウラジロガシとかツクバネガシとか。

背が高いのは、ケヤキとかアカシデとかウワズミザクラとかで、

針だらけのハリギリなんてのも。

それと、去年の草刈りの際に採取した、ピンク色の花が咲く「フシグロセンノウ」とかいう草本も芽吹いてきました。
でも、これは別に、なんというか、自分では持て余してしまうので、職場近くの花を愛でてくれそうな方に譲ります。
また松が枯れてる…。
例の松枯れ病ってやつね。
スギやヒノキの人工林の中にあっても、例えば、誰かと誰かの所有林の境界とかに松はよく生えているのですが、それが枯れるんです。
しかも結構な大木が。
まあ、昔の人は松を大切にしたらしく、スギ・ヒノキの植林地のなかでも切らすに残したらしいですよ。

でも松なんて木はそもそも土壌環境の悪い尾根とかに生える先駆植物であって、森の木を伐採して松の生える条件を作ったのは人間だし、自然の遷移においてもいずれ他の木々に置き換わって枯れる運命にあるのだから、枯れたところで別に何とも思わないけど、ただ、林業的には巨木が倒れて売り物のスギとヒノキをなぎ倒すから困る。
鹿の食害にも強くて、表土のない乾燥した荒地にも生えてくれるのは良いんですけどね。
いずれ枯れるとなるとちょっとね…。
天然更新の現場でも生えてきたら考えものかも。
おやまあ。
素敵なものを見つけてしまった。

ここ。サクラの幹のくぼんだとこ。

小さな「サシガメ」が群がってる。
キモ。

光沢のある赤・黒・白のコントラストがグロイ。
サシガメって、まあ要は臭いカメムシだけど、ただのカメムシと違って他の虫を刺して捕食するやつでして、不用意に摘まんだら刺されるって言うし…。
更にこの模様とフォルム、さすがに自分も素手では触れんな…。
で、調べたら。
出ました。
「ヨコヅナサシガメ」
の、幼虫。
成虫になったらサシガメでは国内最大だって。
そして、外来種。
昭和初期に日本に入ってきたらしい。
ほんと、外来種ばっかり。
去年、手がけている天然更新地がクズに覆われてしまいました。

これは夏の光景。ほんと、一面クズ。

そして、これが必死の草刈りを経た今の状態。
一見すると、全て刈り尽くしたようだけど…、

足元には地面を這う様にクズのツルがハビコっています。
せっかく生えていた幼樹も、クズに巻かれて枯らされるかナギ倒されるかで、まばらにしか残っていません。
そのダメージは大きかった……
と、言いたいところですが、よくよく考えてみると、どうも単純被害というわけでもなさそうです。
そもそも、クズが繁茂したのは重機で山をホジって道を付けた周辺で、切り土・盛り土をした場所、及び崩れた土が表土を覆ってしまった場所です。

そういう場所からは発生する木々も少なく、それ以外の場所(道付けの影響がない場所)に繁茂しているキイチゴ類やカラムシを主体としたヤブも発達しませんでした。

もともとここはスギ林。
当初はここにクズは生えていませんでしたから、クズは皆伐の後に種から発生した、ということになります。
どのようにしてクズの種が広範囲に散布されたのかは知りませんが、どうやらクズという植物は、発生初期は他の背の高い植物との競合に弱いらしく、先だって他の植物によってヤブヤブされてしまった場所(今回ではキイチゴ類やカラムシを主体としたヤブ)には侵入し辛かったようです。
……あ。
よく分からない持論はともかく、手薄な場所の貴重な幼樹がクズによって淘汰されてしまったのは事実です。
いったんハビコってしまったクズを除去することはできないので、新たな樹木の発生は期待できないでしょう。
なので、仕方がない。
面倒くさいけど、植えます。
でも、植える苗なんてないので移植をします。
クズが延びなかったヤブにはたくさんの幼樹が生えていますが、いずれ、過密状態になるのは必至です。

彼らを間引くように掘り取って移植します。

おや?木を植えるのは天然更新ではない?
まあ、同じ域内での移植だし、ギリOKでしょう。
ケンポナシの実を拾いました。

スギとヒノキの間から元の木が伸びています。

ウネウネした先っちょに光沢のある種が入っています。
せっかくなので持ち帰り、ポットに撒いて苗木を作ります。

が、調子に乗って仕込み過ぎると後々水やりが大変になるので…3株くらいでいいかな。
山に植える苗木はその土地に生えているものと決めているけど、遺伝の多様性から同じ種でも色々な木から採取した方がいい、と、テキトーに考えています。一応。
なもんで、仕事中に何気なく見つけた木から少しずつ種を採るようにしています。
なに?この木。
知らないやつだ。


赤みがかった枝が「ミズキ」の幼樹っぽいけど、葉が全然違う。
そんな初めてさんは、とりあえず写真を撮って、家で調べます。
分かりました。
「タマミズキ」さんでした。
「ミズキ」と「タマミズキ」、同じ様な名前だけど、全くの別種で親戚でもないそうです。
ちなみに、全くの別種どうしで似ているのが「アカメガシワ」と「イイギリ」の幼樹です。


「アカメガシワ」なんて私的三大くそ先駆樹種(カラスザンショウ・ヌルデ・アカメガシワ)なもんだから、天然更新の支障木としてバンバン刈っていたけど、ある時、奴らに交じって違う子がいることに気が付いたんです。
それが「イイギリ」さんとの出会いでした。
それと、たまたまですが、「タマミズキ」も「イイギリ」も、秋に葉っぱが散った後、冬になっても赤い実だけが木に残ります。

これはイイギリ
話はそれたけど、要は、自分は木の種類をこうやって一種一種しらべて覚えます。
学者じゃあるまいし、初めから木の種類なんて分からんし…。
積もり積もって、天然更新の際に樹種の判別ができるようになりました。









