おやまあ。
素敵なものを見つけてしまった。

ここ。サクラの幹のくぼんだとこ。

小さな「サシガメ」が群がってる。
キモ。

光沢のある赤・黒・白のコントラストがグロイ。
サシガメって、まあ要は臭いカメムシだけど、ただのカメムシと違って他の虫を刺して捕食するやつでして、不用意に摘まんだら刺されるって言うし…。
更にこの模様とフォルム、さすがに自分も素手では触れんな…。
で、調べたら。
出ました。
「ヨコヅナサシガメ」
の、幼虫。
成虫になったらサシガメでは国内最大だって。
そして、外来種。
昭和初期に日本に入ってきたらしい。
ほんと、外来種ばっかり。
去年、手がけている天然更新地がクズに覆われてしまいました。

これは夏の光景。ほんと、一面クズ。

そして、これが必死の草刈りを経た今の状態。
一見すると、全て刈り尽くしたようだけど…、

足元には地面を這う様にクズのツルがハビコっています。
せっかく生えていた幼樹も、クズに巻かれて枯らされるかナギ倒されるかで、まばらにしか残っていません。
そのダメージは大きかった……
と、言いたいところですが、よくよく考えてみると、どうも単純被害というわけでもなさそうです。
そもそも、クズが繁茂したのは重機で山をホジって道を付けた周辺で、切り土・盛り土をした場所、及び崩れた土が表土を覆ってしまった場所です。

そういう場所からは発生する木々も少なく、それ以外の場所(道付けの影響がない場所)に繁茂しているキイチゴ類やカラムシを主体としたヤブも発達しませんでした。

もともとここはスギ林。
当初はここにクズは生えていませんでしたから、クズは皆伐の後に種から発生した、ということになります。
どのようにしてクズの種が広範囲に散布されたのかは知りませんが、どうやらクズという植物は、発生初期は他の背の高い植物との競合に弱いらしく、先だって他の植物によってヤブヤブされてしまった場所(今回ではキイチゴ類やカラムシを主体としたヤブ)には侵入し辛かったようです。
……あ。
よく分からない持論はともかく、手薄な場所の貴重な幼樹がクズによって淘汰されてしまったのは事実です。
いったんハビコってしまったクズを除去することはできないので、新たな樹木の発生は期待できないでしょう。
なので、仕方がない。
面倒くさいけど、植えます。
でも、植える苗なんてないので移植をします。
クズが延びなかったヤブにはたくさんの幼樹が生えていますが、いずれ、過密状態になるのは必至です。

彼らを間引くように掘り取って移植します。

おや?木を植えるのは天然更新ではない?
まあ、同じ域内での移植だし、ギリOKでしょう。
ケンポナシの実を拾いました。

スギとヒノキの間から元の木が伸びています。

ウネウネした先っちょに光沢のある種が入っています。
せっかくなので持ち帰り、ポットに撒いて苗木を作ります。

が、調子に乗って仕込み過ぎると後々水やりが大変になるので…3株くらいでいいかな。
山に植える苗木はその土地に生えているものと決めているけど、遺伝の多様性から同じ種でも色々な木から採取した方がいい、と、テキトーに考えています。一応。
なもんで、仕事中に何気なく見つけた木から少しずつ種を採るようにしています。
なに?この木。
知らないやつだ。


赤みがかった枝が「ミズキ」の幼樹っぽいけど、葉が全然違う。
そんな初めてさんは、とりあえず写真を撮って、家で調べます。
分かりました。
「タマミズキ」さんでした。
「ミズキ」と「タマミズキ」、同じ様な名前だけど、全くの別種で親戚でもないそうです。
ちなみに、全くの別種どうしで似ているのが「アカメガシワ」と「イイギリ」の幼樹です。


「アカメガシワ」なんて私的三大くそ先駆樹種(カラスザンショウ・ヌルデ・アカメガシワ)なもんだから、天然更新の支障木としてバンバン刈っていたけど、ある時、奴らに交じって違う子がいることに気が付いたんです。
それが「イイギリ」さんとの出会いでした。
それと、たまたまですが、「タマミズキ」も「イイギリ」も、秋に葉っぱが散った後、冬になっても赤い実だけが木に残ります。

これはイイギリ
話はそれたけど、要は、自分は木の種類をこうやって一種一種しらべて覚えます。
学者じゃあるまいし、初めから木の種類なんて分からんし…。
積もり積もって、天然更新の際に樹種の判別ができるようになりました。
センブリって知ってます?
胃の生薬とか何とかで、とても苦いらしい。
試しにかじってみたら、本当に苦い。

今やっている現場にチラホラ生えています。
こんな開けた場所に無防備に生えているなんて、おそらく鹿も苦くて食べないのでしょう。

薬としての効果は知りませんが、花はけっこう可愛い。
調べてみたら、種が発芽してから翌年に花が咲いて枯れる二年草で、今咲いている個体は種を付けたら枯れるみたい。
ほお…。
胃が悪い人はかじってみては?

お?立ち枯れたカシの木から立派なキノコが生えてるぞ?
キノコ慣れした非凡な人間であれば遠目で分かります。

「ツキヨタケ」です。
おいしそうに見えますが、しっかりとした毒キノコです。

ヒダと柄の間にあるピラっとした境目が特徴。
しかも「月夜」の名だけあって、夜になると発光します。
何でも中毒件数が最も多い毒キノコで、「ヒラタケ」とか「シイタケ」とか、市販されている有名な食用キノコと間違えてしまうそうです。
「そんなもん知ってれば間違えねえよ!」
と、自分も以前はタカをくくっていましたが、恥ずかしながら数年前に「ヌメリスギタケモドキ」という食べられるキノコの「幼菌」と間違えてご賞味したことがあります。
(いや…、あの時はね。「ツキヨタケじゃねえ?」とは思ったんですけどね。その時一緒にいたベテランの方がね。ヌメリスギタケモドキに間違いないと言うもんだからね。信じ切って味噌汁にして食べちゃったの。)
あれはきつかった…。
症状は、腹痛と発熱。
食べて30分後に来ました。
ヤバい!と思って直ぐにトイレで吐き出し、更に水を飲んで吐き戻すこと計5回。
その対応が良かったのか?翌日には回復しました。
人の言うことを信じるな、とまでは言いませんが、最終責任は自身にあります。
気を付けましょう。
そう。
このキノコを見ると、高校生とか大学生だった頃に地元横浜の緑地を歩き回った事を思い出す。
食べられるキノコを探し、ひとりで森の中をガサガサガサと。
大抵、目ぼしいキノコは見つからず、徒労と共にむなしく時間が過ぎていく…。
そんな中で、しょっちゅう見かけたのがこのカラカサダケ。
目ぼしくなくても、これだけは目立つように生えていました。

スラっとしたフォルムと、柄(棒の部分)についているツバ(輪っか)が特徴。
生で食うと毒ですが、火を通せば食べられます。
久しく味わっていませんが、確か柄(棒の部分)がシャキシャキしておいしかった記憶がある。
機会があったら、どうぞご賞味ください。 ただ、近種にホントの毒キノコがあるので、判別は自己責任で。
天然更新の現場がクズで覆われちまった…。
まさに海。

ヤブの上に覆いかぶさるようにクズが繁茂しているものだから海の様に波打っています。
ちなみにこんな植物も

ネナシカズラ
他人様に食い込んで養分を吸い取るツル性の寄生植物で、こいつがクズに寄生して一緒に絡まるものだから混沌を極めています。
去年、「もしかして…」とは思ったけど、「まあ大丈夫でしょう」とタカをくくり、対策を見送ったのが原因でして…。
とりあえず取り除くしかない。
ほっといたら大切な稚樹が潰される。

おお?ここにいるのは誰だ?

クマノミズキさんでした。

そしてその傍らにはケヤキさんも。
去年、助手がつけてくれたピンクのリボンのお陰で、ヤブヤブした中でもかろうじて発見できます。
それにしても、ただでさえツルのヤブを刈るのは大変な作業なのに、さらに対象の稚樹を誤伐せずに探し出すのはもっと大変で…。
そのうち防護柵を開放して鹿にクズだけ食ってもらおうかな。












